「散りぬるを」





「殿は某一人で致しまする!皆様は本陣へ!!」

そう叫ぶと、幸村は一人豊臣の軍勢へ突っ込んでいった。
幸村の身を案じ、異を唱えようとする者も有ったが、幸村の強い光を宿す瞳に
射抜かれると、彼の思いを無駄にはしまいと皆と同じ様に
安全な本陣へと引き上げていった。

それを確認すると、朱槍を強く握らせて幸村は群がる敵に視線を戻す。
槍は炎を纏い、その装束に負けない位の朱に燃え上がる。

「うおぉぉぉっ!誰一人、通しはせぬっ!!!」

咆哮を上げると、凄まじい勢いで幸村は敵軍に突進していった。
主君たる武田信玄から預かって兵の命を守る為、
たとえ自分の身が朽ち果てようと全力で戦う。それしか頭になかった。



強い風で砂埃が巻き上がった。
辺りに立ち込めるはただ、錆びた鉄に似た血の臭いばかり。
屍の山が築き上げられ、壊れた武具が瓦礫と化した荒廃の土地。
死肉を漁らんとする烏の獰猛な瞳がその光景を見降ろしている。

その死骸の群れの中に槍を握ったまま、仰向け倒れる若者の姿があった。
それはまさしく、一人で屍の山を築いた若武者、真田幸村に他ならなかった。
肩が上下していることから息があるのは確かだったが、
深手と疲労で指一本動かすこともできずにいた。
死に満たされ荒廃した戦場にただ一人、生者としてそこに在った。

(皆はお館様の元に辿りつけただろうか―…)

他人の心配などしている場合では無いのに、
逃がした他の者達のことばかりが気になり、幸村の頭を不安がひしめく。
せめて佐助がついていれば安心だったが、今回佐助は別働隊として
自分の元を離れていた。
そういえば、佐助は無事勤めを果しただろうか。怪我などしてないといいのだが。
夕映えの様な美しい赤の髪がふっと脳裏を過る。無性に佐助に会いたかった。

(早く帰らねば、佐助が心配する)

幸村は起き上がるために身体に力を入れようとしたが、
何処にも力が入らなかった。
このままここに味方が迎えに来るまで待つより他はなさそうだった。
観念したように瞳を閉じた幸村の耳に、複数の足音が届いた。
軽やかな足音。武装した残存兵ではなさそうだがどうにも嫌な気配だった。

「使えそうな武具があったら全部回収しろよ」
「すごい量の死体ッスね。まあ、オレ達にとっちゃ宝の山ッスけど」
「兵糧丸なんかも売れるから盗っとけよ」
「もちろんですとも」

会話内容を聞いた幸村は眉を顰めた。
足音は四・五人分。会話内容からすると恐らく盗賊かなにかだろう。
それか武士の中でも下級で極貧の者だ。
薄ら目を開け、幸村は不届き者の姿を見た。
恰好を見ると、それなりに身なりは悪くない。
合戦後の武士の具足や持ちモノを漁りに来た、貧しい村人ではなさそうだった。
やはり、会話内容から推察した通りの人物像だった。
中流階級で私腹を肥やそうとする碌でもない連中の様だ。

仏に召された者から物品を漁るなど不届きな輩だと非難したいが、
動けないし、口を利く気力もなくただ唇を噛んで悪行を見詰めるしかなかった。

「あ、見て下さいよ。生きてるのが一人いますぜ」

中の一人が自分の方を指差した。
物を漁っていた他の奴らがどよどよと声をあげ、幸村の方へ歩み寄る。

「見て下さいよ、頭。この赤の装束に首の六文銭。
 コイツ、あの紅蓮の鬼の真田幸村じゃないッスか?」
「ホントだな。鬼なんて呼ばれてるから
 ゴツくてデケェもっとムサイ奴かと思ったら、若くて細いじゃねぇか」
「マジで若いッスね」

足音が近付き、一人が幸村の顎を掴んで上を向かせた。
幸村はしっかり目を開き、相手の顔を確認する。
幸村の大きな瞳に見詰められた相手は、どこか下卑た笑いを浮かべた。

「可愛い顔してんなぁ。ねえ、頭もそう思いませんか?」
「ああ。確かに、な。流石は武田信玄の傍仕えだ。
 ククッ寵愛を受けてるだけはある。そうだ。試させてもらおうぜ」
「おっ、それいい案ッスね」

試す―…?一体何をだろうか?

色恋沙汰に明るくない幸村には、彼らの会話の意味が把握できなかった。
不可思議そうに顔を顰め、彼らの表情を浮かべる。
男どもの顔に滲んだ欲の色に、背筋がゾッとした。
逃げなければ。反射的にそう感じたが身体がピクリとも動かない。

男の野太い手が幸村の身体を自分の方に引き寄せた。
肉厚の身体に抱き寄せられ、幸村は嫌悪に顔を歪める。

「は、な……せ。金目のものが目当てなら、さっさと、盗って去れ」

声を振り絞って幸村がそう言うと、男達がニヤリと顔を歪める。
その顔が浅ましい肉食獣の様で、幸村は更に眉を顰めた。

「一番の金目なら、アンタ自身だろう。紅蓮の鬼さん」
「な、に?某を、敵軍にでも、売る気か?」
「いやいや、もっと良い事さ。アンタの美貌は殺すに惜しい。
 どうせだから、男どもの欲の吐け口にしてやるよ。遊郭にでも売ってな」
「な、にを?男の某が、売れる筈なかろう……」
「いや、お前ならそこいらの女どもよりも、ずっと売れる。
 まあ、売り飛ばす前に、ちょっくらオレたちにもイイ思いをさせてもらうがな」

そう言うと、男は幸村の草摺を剥ぎ取った。
赤いライダース風の装束も引き剥がし、その首筋に舌を這わせる。

「うぁっ!?な、なにを……!」

驚きに目を見開く幸村を地面に押し倒すと、男は更に首や鎖骨、胸に舌を這わせた。
心地悪さに身を捩ろうとするが、男の重みに潰されて逃れることはできない。 
肌を舌が這うと、えもいわれぬ不快感と共にくすぐったさに似た感覚に襲われた。
初めて感じる感覚に幸村は戸惑う。

「あぅ……くっ、やめっ!」
「カワイイ声で啼くじゃねぇか。ヘヘッ、
 やっぱり信玄にもこうやって可愛がられてんのか?」
「な、にを?お館様が、このような真似をするわけないだろうっ!」
「へ〜、じゃあ初モノかっ?ヒューッ!いいじゃねぇか」

舌舐めずりをすると、男は幸村の乳首に唇を寄せた。
柔らかな乳頭を口に含んで吸い上げると、
幸村の細腰が反射的にピクンと跳ねる。

「あぁっ!」

思わず高い女みたいな悲鳴が漏れた。
続けざまに乳首を軽く噛んだり舌で捏ね繰り回したりすると、
断続的に幸村の口から嬌声が漏れ、乳首が硬度を増す。

「こいつ、感じまくってんぜ!」
「おいおい、知らねぇ男に触られて興奮するなんざ、淫乱だなぁ」
「なっ、ち、がっ!ぁっ……く!」

唇を噛みしめ、幸村は声を堪える。
知らない男に触られ、不快感が募った。
殴られたり斬られたりするよりずっと嫌な感覚だった。
吐き気すら込み上げ、幸村は何度かえづいた。
だが、男は嫌がる幸村の事などお構いなしに、
好き好きに幸村の胸や、腹や、背中に触れる。
身体中を這いまわる見知らぬ男の手や舌に、泣き出したくすらなった。

「ほんと、良い身体だなぁ。肌がすべすべしてる」

下卑た笑いを浮かべながら、男は幸村の袴の紐を解き始めた。
ずるりと袴を剥ぎ取られ、白い太腿が露わになる。
筋肉質だが柔らかな太腿にも男は舌を這わせた。
男はその舌を徐々に股間に向けて這い上がらせた。
ナメクジの様に滑りとした感触が褌に近付いて来て、幸村は震えた。
そっと腰帯が解かれ、隠された所為気を露わにされる。
少し熱を持った摩羅を男が無遠慮に握った。

「すでにお漏らししてんじゃねぇか。蜜で竿がぬめってんぜ」
「ば、かな……、佐様なこと、あらぬ!」
「強がんなよ、キモチイイんだろ?」
「頭、オレもう限界っすよ。突っ込みましょうや」

男は幸村の足を掴むと行き成りうつ伏せにした。
白い尻をじっと男が見詰め、ごくりと喉を鳴らした。
下品な舌舐めずりが聞こえ、幸村は顔色を失くした。
肩越しに男を振り返ると、袴を降ろして男は摩羅を外気に出し、
それを幸村に見せ付けた。

「な、にを、する気だ―…?」

震える声で幸村が尋ねると、男は楽しそうに唇の端を吊り上げた。

「何って、んなことも解らねぇのか?とんだ箱入りムスコだなぁ」
「クククッ、今からてめぇのケツにこのオレのマラをブっ込むんだよ!」

尻にあんな凶悪な物体を突っ込む。それを聞いた幸村は流石に青褪めた。
幸村の雄は恐怖で萎え、肩が細かく震えた。

「いやだっ!は、はなせっ!」

力を振り絞って暴れようとしたが、男達に腕と足を押さえ付けられて
大した抵抗は出来なかった。それどころか暴れたことに怒りを買い、
前髪を鷲掴みにされ、思い切り地面に顔面を叩きつけられた。
くらりと脳が揺れ、幸村は失神しそうになる。
そうしている間にも、男は幸村の尻たぶを左右に開かせて肛門を
露わにすると、そこへ自身の怒張した雄を押しあてた。

(嫌だ―…、佐助―…っ)

心の中で佐助を呼ぶ。吐き気がして死ぬほど嫌だったが、
流れそうになる涙を必死に幸村は堪えた。
恥かしめられて無くなんて情けない真似はしたくなかった。
せめて、涙も痛みも男らしく堪え、相手に愉悦を味あわせない様に
するのが今出来る精一杯だ。

(女じゃないんだ。身体を奪われるくらい、何ともない―…)

必死に自分にそう言い聞かせ、割り切ろうとした。
覚悟を決め、幸村は観念したように瞳を閉じる。
その時、直ぐ背後で「ギャァッ!」と無様な叫び声が聞こえ、背中に生ぬるい
液体が降り注いだ。

「何だっ!?」
「何が起きたんだっ!?」

男達が幸村から離れ、ざわめきだす。
スッと凪いだ疾風が男の間を走り抜け、二人目の負傷者が作られた。
背中を切られた男がドサリと仰向けに地面に倒れ、間もなく痛みで絶命した。

「アンタら、うちの旦那に手ぇ出したからには、タダでは返さないよ」

ゾッと底冷えする様な声が響き、ぬらりと影から人の姿現れる。
赤い頭髪に、狐の様な萌黄色の瞳。口許に浮かんだ不気味な笑み。
その姿を見た男どもは、口々に化け物だと叫んだ。
男達が恐怖に顔を引き攣らせる一方、幸村は安堵を浮かべて彼の名を呟いた。
直後、瞳が閉ざされ、そのまま幸村は意識を手放した。
幸村が失神したのを見届けると、佐助の瞳が冷たい光を宿す。

「俺様の主に許可なく触れた代償、高くつくぜ?」
「な、忍ごときがいきがりやがって!」
「殺っちまえ!」

恐怖に駆り立てられるように、男達は一斉に佐助に飛び掛かってきた。

「あ〜あ、馬鹿だよねぇ。急がなくったって、どうせ、人は死ぬのにさ」

何処からともなく巨大な手裏剣が取り出された。
器用に手裏剣を回すと、佐助は見開いた瞳に相手の姿を捕えた。

「この人にさえ手を出さなければ、もうちっと生き長らえれたのにね」

一瞬にして、血が霧水となって辺りに散った。
辺りに残るは肉塊と飛び散る肉片のみ。
人の原型を留めぬモノと変わり果てた男達に、佐助は冷たい視線を投げかけた。

「化け物を起こしたこと、あの世で後悔するんだね―…」

赤く光る眼で彼らを一瞥すると、顔の返り血を拭って佐助は幸村に歩み寄った。
そっと頬に唇を落とすと、愛おしげに怪我だらけのその身体を抱き寄せる。

「気絶してくれてよかった。アンタに、あんな醜い姿見せらんないよ―…」

大きな外套を取り出してその身体を包み、
剥ぎ取られた衣服と大事な朱槍を拾い上げ、佐助はその場を離れた。



「ん―…」

身体に心地良いひんやりとした物が触れ、
長い睫毛が震わして、ゆっくりと幸村は目を開けた。

「あ、起きた?旦那」
「さ、すけ―…」

優しい笑みを湛え微笑む佐助を、ぼんやりとした瞳で幸村が見詰める。
辺りに視線を巡らすと、静かな川のほとりだった。
ひんやりしたのは佐助が血や泥や汗や唾液で汚れた身体を、
佐助が手ぬぐいで拭ってくれていたからだった。
起き上がろうとした幸村を、そっと佐助の手が制した。

「駄目だよ、傷の手当てが終わるまではじっとしていてね」
「……ああ。すまぬ」
「いいよ。一人で殿を受け持ったんだってね。
 もう、あんまり俺様のいない所で無茶しないでよ、旦那。不安になるだろ?」
「すまぬ。でも、見事、果したぞ。
 それに、出来ると言う確信もあったし、武田の者たちを守りたかった」
「わかってる。旦那は強いもんね。でも、これっきりにしてよ。
 武田の人達を守る前に、まず、自分の命をちゃんと守らないとね。
 そうしてくんないと、俺様が安心して戦えないよ。ね、旦那」
「そう、だな。すまぬ、佐助」
「謝んなくていいよ。ちゃんと約束してくれたらそれでいいから」
「……おう」

髪を梳く佐助の手が心地よくて、幸村は目を細めた。
だが、身体に手を伸ばされると急にさっきの男の事がフラッシュバックし、
幸村は思わず身体をビクリと硬直させた。
訝しげに佐助は首を捻る。

「旦那?どうしたの?俺様が怖い?」
「違うっ!違うのだ……。さっきのことを、思い出して……
 それより、先程の者どもはどうなった」
「あ〜、アレね。大丈夫。旦那は何も心配しなくていいよ」
「え?」
「アイツ等なら、ちゃんと俺様が追い返したから」

そう言って笑った佐助の瞳には、確かな憎悪が揺らいだ。
反射的に、幸村は気が付いた。あの狼藉者ども結末に―…

「ころし、たの、か?」

途切れ途切れの声で幸村が尋ねると、佐助はピクリと眉を動かした。
佐助は俯き、幸村から視線を逸らす。
ぐっと拳を握り締め、堪え切れないと言った風に佐助は言葉を零した。

「だって……ね、アイツら、こともあろうに、旦那に触れたんだよ?」
「さ、すけ?」
「穢れた手で、アンタを汚そうとした……。
 許せなかった。綺麗なアンタの純潔を奪おうとするなんて、さ。
 戦って倒れてたアンタを襲うなんて、そんな輩、死んじまったらいいのさ」

顔を上げた佐助の顔は酷く歪んでいた。
いつもの取り澄ました笑みはなく、ごちゃ混ぜになった感情が溢れていた。
その顔を、幸村は少なからず美しいと思った。

「すまない、佐助。助けてくれてありがとう」

そっと幸村は佐助の首に腕を回す。
頬を摺り寄せる様にすると、自分より広い肩に顔を埋めた。
佐助の匂いがふっと鼻孔から肺へと流れる。
その途端、身体が震え、涙がどうしようもなく溢れてきた。
首に回した腕が小刻みに震え、熱い涙が佐助の肩にボロボロと流れ落ちる。

「どうしたの?旦那?」
「――怖かったんだ……」
「怖かった?何が?」
「男どもに身体を触り回され、そのまま、犯されそうになって、
 怖くなどないと、我慢すれば済んでしまうと思っていたけど、
 やはり、どうしようもなく怖くて……。こんな姿、情けないな。軽蔑するか?
 男に欲情された揚句、犯されそうになったなどど―…。なんと、情けないことか……」

震える声でそう呟いた幸村の華奢な身体を、ぎゅっと佐助は抱締めた。

「するわけないじゃん……。旦那は悪くないよ。
 誰だって犯されそうになったら怖い。それに、欲情される方じゃなくて、
 欲情して襲う奴が悪いに決まってるよ」
「佐助―…」

抱締めてくれる佐助の体温に委ねる様に、幸村は身体を預けた。
そっと幸村の頬を手で包むと、佐助はそっと額に唇を落とす。

「アイツらに付けられた痕は、俺様が全部けしてやるよ―…」

優しく幸村を草むらに押し倒し、首筋に残る痕にそっと舌を這わせた。
チュッと音を立てて吸い上げると、幸村はピクリと腰を揺らし
甘い吐息を漏らした。

「あっ、さす、け―…」
「旦那」

熱っぽく名を呼ばれ、佐助の瞳が揺れる。
胸に、腹に、腰に、太腿に残る痕をすべて消し去る様に、
佐助は口付けを落とし、そっと柔らかな皮膚を吸い上げていった。
幸村は一度も抵抗すること無く、佐助の為すがままにしていた。
小さな唇から零れる甘い吐息と、幸村に残されていく紅い刻印に、
歪んだ欲が満たされるのに罪悪感を感じながら、
佐助は感情を隠して義務的かつ流れ作業の様に全ての痕を自分の物に塗り替えた。

「終わったよ、旦那」
「ありがとう、佐助」

ほっとした表情を浮かべ、安心したのか幸村は眠たげに瞳を瞬かせた。

「眠っていいよ」

佐助が抱締めながらそう囁くと、体重を預けて幸村は眠りに堕ちていった。
そのあどけない表情に、更に罪悪感が増す。

(俺も、旦那に欲情した連中と変わりはしない―…)

剥き出しにされた白い肌を見て、浅ましくアンタに触れたいとそう思った……。
コントロールされた性欲さえ抑えられず、股間を熱く怒張させてすらいた。

「ごめんね、旦那。俺様が本当は一番汚いよ―…」

ただただ嫉妬と触れたいという欲望に駆られ、
幸村に男が残した痕を上塗りした。
男に触れられそうになった事を怖がる幸村を思っての行為なんかじゃなかった。

安心しきった幸村を抱きあげ、佐助は馬に乗って甲斐への帰路を辿った。
己の浅ましい感情と罪悪感をそっと胸に忍ばせて―…。

相手が男か女かは解らないが、
いつかは純潔な幸村も愛恋を知り、自分以外の物と肉体関係を結ぶというのに。
その時の訪れが永遠に来ない事を願う愚かな自身。

いっそ、この手で奪ってしまったら―…

敵わぬ望みを散らし、佐助は心を虚にして手綱を握った。








--あとがき----------

要約すると、ただ、幸村は戦場の華だよねって話です。
そんな幸村が倒れて動けなかったら、
まさに命では無く貞操の危機だなと、そう思って書きました(苦笑)
「散りぬるを」は「散ってしまうのに」という意味だったハズです。
だからなんだという話ですが、まあ、敢えて言うなら、
いつかは散ってしまうと解っているのに、散らせたくないと、
散らせない様にと守る佐助の滑稽をタイトルに込めてみました。