―ハロウィンの魔物―





窓辺に並べられた二つのジャック・オ・ランタン。
明日はハロウィーン。佐助が雰囲気を出すのに用意してくれたものだ。

「真田の旦那、明日はハロウィーンに因んでカボチャの料理
  用意するから楽しみにしててね。勿論お菓子もね。
  学校休みだし、俺様、もーすんごい気合い入れて作るよ」
「まことか佐助っ!楽しみにだぞ!」
「うん、期待しててね」

腕捲りをする佐助に、幸村はキラキラした瞳を向けた。
だが、我に還ったようにハッとして、疑うような眼差しを佐助に向けた。
幸村が言いたい事は解っていたが、
敢えて素知らぬ振りをして「どうしたの?」と佐助は訊ねる。

「……いや、その。今年も、仮装をするのか?」
「あー去年恥ずかしい思いしたから警戒してんの?」
「あ、あたり前だっ!去年なんてお前に魔女の格好をさせられたんだぞっ!
 政宗殿や慶次殿には写真とられるし、散々だ」
「まあまあ、似合ってたんだし、いーじゃない」
「よくない!」
「ごめんってば。だから今年は仮装は無難なの用意したよ。お揃いで吸血鬼」
「そ、そうか」

あからさまにホッとする幸村に佐助は内心ほくそ笑む。
せっかくの祭だ。普段節制している分を発散させてもらう。

「楽しみだね、旦那」
「おう!楽しみだぞ佐助っ!」

佐助の含む所など露知らず無邪気に幸村は笑った。


――ハロウィーン当日。

佐助が用意したお菓子を手に、幸村が外へ出ようとした時に玄関のチャイムが鳴った。

「よお真田」

玄関から顔を覗かせたのは政宗だ。後ろにはお目付け役の片倉小十郎もいる。
二人は揃ってフード付きの黒衣に身を包み、手には鎌をもっていた。

「政宗殿は草刈りお化けでござるか?」

呆けなのか嫌味なのか判別つかない幸村の言葉に
気分を害した風も無く、政宗はいつもの不敵な笑みを浮かべて答える。

「バーカ、死神だよ。そういうお前と猿はドラキュラか。
 オレ的には去年の魔女のがCUTEだったぜ」
「まーくんもそう思う?俺様もそう思うけど、旦那が嫌がるからさ」
「嫌がんなよ、まじでラブリーだったぜ?
 なんならオレが今からとびっきりの格好をさせてやろうか?」
「けっこうでござる。政宗殿の選ぶ仮装は過激そうなので」
「俺様も遠慮。アンタに旦那の可愛い所みせたくないしね〜」
「なんだと猿!てめえこの鎌の餌食にしてやろうか」
「やれるものならどーぞ。アンタに死神の風情は感じないね〜。疫病神でいーんじゃない?」

ケラケラ笑う佐助に、政宗は本気で苛立った表情で声を荒げる。
一触即発の状況に小十郎が政宗の背後から彼の脇を掴んで止めにはいった。

「お止めなさい、政宗様。猿飛、テメーも煽るな」
「はいはい、ゴメンね。片倉さん」
「政宗様も、喧嘩はおやめ下さい」
「Shit!わーってるよ。真田、Trick or treat!どっちにする?」
「悪戯は嫌でござる。もちろん、ちゃんと菓子を用意しておりまするぞ!」

幸村は笑みを浮かべながら、佐助の作ったカボチャのマフィンを差し出した。
政宗はそれを受け取ると、少し残念そうに笑う。

「ま、用意周到の猿がついてるから菓子を寄越すと思ったが、
 オレとしちゃあ悪戯でもよかったんだぜ?」
「駄目に決まってんでしょ!ウチの旦那に手ぇ出したら殺すよ、マジで」
「猿は黙ってろ」
「はいはい、黙ってますよ」
「政宗殿、某からもとりっく おあ とりいと でござる!」
「もちろん、ちゃんと用意してんぜ。
 オレの手製のパンプキンパイと、小十郎からはカボチャきんとんだぜ」
「おおっ!すごいでござる政宗殿っ!このパイ、ワンホールではございませぬかっ!」

綺麗にラッピングされたワンホール丸ごとのパイに、幸村は目を輝かせる。

「アンタの為だけに特別に作ったんだぜ。アンタ、甘いもの好きだからな。
 他の奴らには小十郎が作ったカボチャきんとんだけだがな」
「まことにございまするか?嬉しいでござるっ!
 政宗殿はお優しゅうございますな。片倉殿も、ありがとうございまする」

幸村が政宗の後ろに立つ小十郎に顔を覗かせて
頭を下げると、小十郎は幸村の柔らかな頭をくしゃりと撫でた。

「ああ、気にすんな。ただし食べすぎんなよ真田」
「はい!」

頭を撫でられた幸村はちょっと恥ずかしそうに、
でも、それ以上に嬉しそうな笑みを浮かべた。

「にしても、本当はオレとしてはアンタになら悪戯されてもよかったんだがな」
「え?悪戯されたいなど、政宗殿は奇特でございますな」
「Ha!悪戯はするよりされる方が好きだがな、アンタにされるなら悪くねぇ」
「政宗様、真田は貴方様と違って悪戯など出来る性格ではありませんよ。諦めなさい」

小十郎にズバッとぶったぎられ、政宗はチッと舌打ちをした。

「まあ、いい。真田、今から前田のとことか行くんだろ?オレと行こうぜ」
「そうでござるな。佐助、行くぞ」
「え〜、伊逹と一緒〜っ?ま、良いけどね。片倉さん、伊逹が暴走しないようにしてよ」
「猿飛、政宗様は猛獣じゃねぇぞ!まあ、真田の前では似たようなもんだがな……」
「そーいう事。幽霊に仲間入りしたくなきゃ、気を付けてね」
「ああ、肝に銘じておく」

四人は夜道を並んで歩き始めた。
道の途中、前から歩いてくる大男の姿が見えた。
チャイナっぽい服を着て、帽子を被り、帽子からは勅命と書かれた札が垂れさがっている。
どうやら、キョンシーに扮しているようだ。

「幸ちゃ〜んっ!」

キョンシー男は幸村を見つけるとバタバタと走り寄って来た。
ポニーテイルを揺らしながらやって来たのは、前田慶次だ。
慶次は走り寄って来たまま幸村にドーンと飛び付いて来た。

「うおっ!」

足腰の強い幸村と言えど、流石に慶次程の巨体は支えきれずに
後ろ向きに尻餅をついた。
そこへ押し倒すように慶次が圧し掛かって来て、すりすりと頬の頬擦りをしてくる。

「幸ちゃん、Trick&Treat!お菓子をくれてもイタズラするよ〜!」

そう言うなり、幸村の脇の下を慶次の手がくすぐる。

「うひゃあっ あははははっ、け、けいじどのっ止めて下されっ!!!」
「だーめ、ほらほらっ」

容赦なく弱い脇の下をくすぐられて幸村は身悶える。
見ていた佐助と政宗が二人同時に慶次の後頭部に蹴りをいれ、
慶次は前方1メートルくらいぶっとんだ。
その間に、小十郎が幸村を抱き起こして服に着いた土を払ってやった。

「いたたたっ、ちょっとまーくんも猿飛も酷いよ」

可愛くないのに頬を膨らます慶次に、政宗も佐助もイラッとした顔を浮かべる。
佐助が慶次の口にマフィンを突っ込み、凶悪な笑顔を浮かべる。

「ほーら、俺様特性のマフィンだよ〜。
 慶ちゃん、お菓子やったんだからとっとと帰ってね〜」
「ふぇっ はにほれ、ひろいよっ(えっ、なにそれ、酷いよ)」
「オレからもこれやるからとっとと失せろ、前田」

カボチャマフィンを口から出した慶次に、今度は政宗が菓子を投げつけた。
政宗にもぞんざいに扱われ、慶次は捨て犬のような顔を浮かべる。

「ひ、酷いよまーくんまで!俺だけのけ者かいっ?幸ちゃん、なんとか言ってよ」
「この破廉恥ヘンタイ殿。菓子を寄越してとっととお帰り下され」
「えぇ〜、ゆっきーまで酷いよ〜」

ぐすんと涙を啜る慶次に、幸村は悪戯された怒りを解いて微笑みかける。

「冗談でござる。慶次殿がいきなり悪さをするからいけないのでござるぞ」
「あはは、ゴメンゴメン」
「では、あらためて。とりっく おあ とりーとでござる」
「ハッピーハロウィン、幸ちゃん。これ、まつ姉ちゃん手製のカボチャクッキー」
「おおっ!ありがとうございまする!」
「まつ姉ちゃんの料理は天下逸品だよ!」
「まつ殿は料理の名人でございますからな。 
 しかし、ウチの佐助の料理の腕も負けておりませぬ。
 マフィン、ぜひとも家でまつ殿や利家殿と召し上がって下され」
「ありがと。でも、なんか妬けちゃうね」

少し淋しそうに笑った慶次に、佐助は密かに勝ち誇った様な笑みを向けた。



その後は三人で元親や毛利の家を回って、
戦利品のお菓子を手に、それぞれ家に帰った。
楽しいハロウィンもこれで終わり。そう思っていた幸村の身に
ハロウィンの魔物が忍び寄っている事など、当の幸村は知る由もなかった。

「おやすみ、佐助」

いつもの様に眠ろうとした幸村のベッドに佐助が忍び寄って来た。
キシリとスプリングを軋ませて佐助がベッドに上がってくる。
幸村の耳元に唇を寄せてそっと息を吹きかけるように佐助は囁く。

「Trick or Treat,旦那」
「へ?お、おい。俺は菓子などやれぬぞ」
「ふーん、じゃあイタズラだね」
「えっ!?ちょっ、ま、待て佐助っ!」
「ダメ〜。今日の俺様は凶悪な魔物だから待ったげない」

そう言うと佐助は幸村に飛び掛かってきた。
佐助が飛び乗った反動でベッドが大きく沈み、幸村はシーツの海に溺れる。
自分よりも体格の良い佐助はスラリとした見掛けに反して逞しく、
意外と腕なども一回りほど太く、力強い。
その上しなやかさも併せ持つ佐助は寝技が得意で、
押し倒されて体重を掛けて圧し掛かられると抵抗が難しい。

「ちょっ、やめぬかっ!」
「いやです〜。お菓子用意できない旦那が悪いよ。大人しくして」

にっこり微笑むと、目にもとまらぬ早技で佐助はいつの間にか手に持っていた
包帯で幸村の手をベッドの柵に縛り付けた。

「何をする佐助っ!」
「ん〜、実は俺様、今年は旦那にミイラ男のコスプレしてもらいたくって、
 密かに包帯いっぱい用意してたんだよね」
「ミイラ男でも何でもしてやるから解け!」
「駄目です。俺様の手でセクシーなミイラ男にしてあげるからさ、
 ちょっと大人しくしててくれない?とびっきり素敵にしあげてやるぜ、旦那」

バチッとウインクして見せる佐助に、幸村は呆れた顔をした。
そもそも、ミイラ男なんてしなびた身体に包帯を巻いた男であって、
佐助の言うセクシーからは遠く離れた存在だ。
それなのに佐助は何を言っているのだろうか。
ミイラ男の格好をさせたかったなど、ただ縛りたいがための口実だろう。
このまま好きにさせては、絶対に不味いと幸村は抵抗しようとするが、
巧みに縛り付けられた手はビクともせずに、
あれよという間に衣服を剥ぎ取られていった。
手を縛ってある所為でパジャマの上は全開されているだけに留まっているが、
乳首も腹も丸見え状態で、下半身に至ってはパンツすら奪われている。
羞恥で顔を赤らめる幸村にお構いなく、
佐助は匠の技で幸村の足をM字開脚の状態に縛り上げた。

「あらら〜、旦那ってばエロいんだから。
 縛られちゃって興奮したの?もう勃ってるし、蜜まで垂らしてるぜ?」
「くっ、……さ、すけ。解いてくれ」
「嬉しそうにしてんじゃん。俺様も嬉しいよ。うん、眼福だねぇ」

ニコニコしながら、佐助は幸村の腕をベッドの柵から解くと
パジャマを脱がせて、手を後ろ手にして包帯で縛り上げた。
上々の出来栄えのようで、佐助は満足した笑みを浮かべている。

「う〜ん、ミイラ男もいいね、旦那」
「ば、ばかものっ!もういいだろ?解いてくれ」
「まだ駄目だって。コスプレさせてあげただけだもん。悪戯は、これからさ」

ニヤリと笑う佐助を幸村は久しぶりに恐ろしいと思った。
普段の温厚そうな顔立ちは仮面だと思わせるのに十分すぎる
獰猛な肉食獣の瞳に、口元のニヤリと不気味な笑み。
身震いする幸村を愉しそうに眺める佐助には間違いなくSの気がある。

「さて、と。どこから攻めようかな」

鼻歌交じりで長い指が幸村に向かって伸ばされた。
腹筋をつっとなぞり上げられ、虫の這う様な感覚に幸村の腰が震える。
少し冷たい佐助の指が胸を撫でまわす様に触ると、
快楽を知る幸村の身体はますます期待に震えた。
いや、期待だけでは無い。拘束された逃げられない状態で何をされるか
解らない恐怖も若干そこには混じっている。
それに気付いていたが、佐助は相変わらず笑んだまま手を動かした。

「ひぅっ!」

指がいきなり乳首を抓るように摘まみ、幸村の口から悲鳴が上がる。

「ごめん旦那、痛かった?じゃあ、優しくしたげるね」

そう言うと、佐助は捏ね繰り回す様に掌で乳首を玩んだ。
固く尖った乳首が掌の下で転がされ、
そこから生じるジワリとした快感に幸村はビクビクと痙攣した。

「うっ、くぅ……あぅっ」
「こんなんでも気持ちいいの?旦那ったら敏感〜」
「う、るさいっ!」
「怒んないでよ、誉めてんだぜ」

そう言いながら、佐助はまた乳首をきゅっと摘まむ。
ゆるやかな感覚から唐突に強い刺激に変化したのに対応できず、
幸村はビクンと腰を跳ねさせた。
幸村の雄も、ビクビクと震え始め勃ち上がり硬度を増し始める。
乳首を執拗に攻められ、下半身が疼き始めたのに佐助は敢えて
そこにふれず、数十分間乳首を徹底的に弄り回した。
不屈の精神をもつ流石の幸村もこれには堪りかね、弱音を口にする。

「も、いいっ。やめてくれ、佐助―…」
「え〜。乳首だけでイケるまで頑張ってみない?」
「そんなの無理だ、もう、許してくれ」

強請るような潤んだ幸村の瞳に見詰められ、佐助は満足げに笑った。

「う〜ん、そろそろ限界か。じゃあ、こっちも触ってあげないとね」
「いっ ひぃあぁぁっ!1」

ぎゅっと根元を掴まれ、亀頭まで一気に扱き上げられて幸村は嬌声を上げた。
先走りでズクズクに濡れた竿を握り込んだ佐助の手が
上下に動き、脳天を貫く様な衝撃に似た快感が背中を走り抜ける。

「ああぁっっっ!」

そのまま射精しそうになった時、ぎゅっと佐助が根元を強く握った。

「いぐぅっ!?あうっ!」
「まだ逝っちゃだめ。ちょっと我慢してね旦那」

包帯で器用に根元を縛り上げ、無情にも佐助は幸村がイクのを無理やり止める。
半泣きの表情を向ける幸村の頬にキスをすると、
佐助は指に蜜を絡めて後孔にズブズブと指を入れた。

「はっ、くあぁっ ひぅぅ」
「すごいよ旦那のナカ。ヒクついて俺様の指にすっごい絡み付いてくる」
「あぐ、んんっ あぁっ」
「一本じゃ少ないよね。二本挿れたげるから」

中指に加え、人差す指も突っ込むと佐助は指で壁をゴリゴリと引っ掻いた。
ナカを掻きまわされる感覚に幸村は大きく仰け反り、
口からはだらしなく唾液を漏らす。
佐助の指が前立腺を探り当てて激しく突き上げると、
狂いそうな程の快楽に幸村は頭を振った。

「いあぁぁぁっ、そこぉっ、いやだっ!あっ、うぅぅっ!!」
「嫌じゃないよね。旦那ここグリグリされんの好きだもん」
「ああうぅぅぁっ やめぇっ、おかひくなるっ」
「なっちゃいなよ。今の旦那はミイラ男だよ。狂えばいいよ」
「ああああぁっっっ!」

容赦なく責める佐助の指に、理性が切れた幸村は口を大きく開けて叫ぶ。
本来ならとっくに気を遣っている筈なのに根元を縛られそれを阻まれ、
いつまでも快楽が与えられ続けた。

「いあぁっ も、本当にやめっ さすけぇ」
「このまま旦那がよがんの見続けたいって言ったら怒る?」

佐助の問いに幸村は必死に頭を縦に振った。
苦笑を漏らすと、佐助は自分の雄を取り出して幸村の穴に宛がう。
指を引き抜かれてパクパクと次に自分を埋めてくれるものを
求める幸村のアナルに、佐助は一気に自分の雄を挿入した。

「あはぁぁっ、ああっ、さすけっ!」
「くっ、熱ぅ、旦那のナカ、とろっとろで最高だねっ」

そのまま佐助は幸村を突き上げる。
さっきよりも太くて固いものがしこりを激しく突き、幸村は
更に激しく喘ぎ声を上げて、仰け反った。

「あああぁぁっ、いぁっ、ああっ たの、むっ!い、いかせてくれっ」
「あっ、ゴメンね忘れてた。そろそろ本当に限界だよね」

笑いながら佐助は幸村の根元を戒める包帯を解く。
その瞬間、勢いよく精液が吹き出して佐助の腹と幸村の腹を汚した。

「わー出た出た。我慢させてたからすっごい量。気持ちいい?旦那」
「はぅっ あ、いいぃぃっ」
「くっ、俺様も、そろそろかな くあっ」
「ひぁっ、あぅ あつぃ ああぁっ」

ドプドプと佐助は幸村のナカに自分の精液を注ぎ込んだ。
注ぎ込まれる感覚にも感じ、幸村自身もまた吐精した。

「あー気持ちいいー。旦那はどうだった?」

ずるりと自身を引き抜くと、縛られたままベッドに倒れている
幸村に佐助は笑いかけた。

「佐助の変態……。お前がここまでサドだとは知らなかった」
「あはー、俺様としては旦那がそこまでMだとは驚きだったかな
 だって縛られただけで興奮してたし、いつもより喘いでたしね〜」
「ばっ、ばかものっ!興奮してなどおらぬわっ!」
「してたよ。それとも足りないって言う意思表示?じゃあ、二戦目ってことで」
「なっ!?」

幸村の返事を待たずして、悪魔のような微笑みを浮かべる佐助は
縛られて逃げられない幸村に再度圧し掛かった。

そのまま夜が更けるまで行為に及ぶ破目になった幸村は、
窓辺のジャック・オ・ランタンの光を見詰めながら
快楽に溺れ朦朧とする頭の片隅でぼんやりと思った。

“ジャック・オ・ランタンの灯りは本当に魔物を引き寄せるらしい”と。

来年こそは佐助という身近な魔者から身を守る為、
ぜったいにお菓子を用意しておこうと幸村は密かに心に誓った。






--あとがき----------

ハロウィンを一週間以上過ぎてできたのがこの痛作。
みなさん、魔物に憑かれた人が書いたものと思って、
生温かい目で見守って下さいね。