「花街遊び」








極彩色の街、煌びやかな光。
華やかな着物を纏った遊女や、酔っ払いが行き交う賑やかな道を、
四人の男は並んで歩いていた。

天然パーマの長身の男が二人、ロングヘアの男が一人、
そしてショートヘアの男が一人。
彼らは攘夷志士のトップ4人組、銀時、高杉、桂、坂本だ。

タイプの全く異なる四人だが、みな顔立ちは整っている。
道行く女性がヒソヒソと噂をする程だ。
彼らが色町を闊歩している発端は三十分前、
戦明けの坂本の思い付きだ。



「銀時、ヅラ、高杉。折角じゃ、わしらも遊郭へ繰り出そう」

戦を終え、身体を清めてゆったりしている最中、坂本が突然そう提案した。
その提案にまっさきに眼を輝かせたのは銀時だ。
「いいね〜」と鼻の下を伸ばしただ、らしない顔を浮かべた。
それに対して桂が苦言を漏らす。

「我々は武士だぞ。そんな浮ついたことではいかん。
 ところで、その遊郭には人妻風な熟女はいるだろうか?」
「おお、勿論きに。ヅラの好みの女子も居るっちゃ」
「そうか。では早速行こう」

真面目に説教を垂れたかと見せかけて、
その実かなり乗り気な桂に、高杉は溜息を漏らす。

「くだらねぇ。俺は酒を飲んで休む」

一人やる気なげにそっぽを向く高杉に、坂本が近付いてくる。

「高杉、そう連れないこというなや。
 おまんも一緒に来るぜよ。きっと楽しか〜」
「断る。興味ねぇんだよ」
「ほお〜、鬼兵隊の総督ともあろうお方が、
 まさか、女が苦手とはのう。なんや、慣れとらんき恥ずかしいんか?」

へらへら笑いながら坂本が高杉の頬を突く。
思い切り体重をかけて肩を組み、馴れ馴れしく頬を触る坂本に
高杉はすこしムッとした表情を浮かべる。

「恥ずかしいなんざ思ってねぇよ。
銀時みたいなもてない奴と一緒にするな」

黙って坂本と高杉のやりとりを見ていた銀時は、
いきなりやり玉に挙げられて会話に参戦してきた。
坂本にホールドされてる高杉にずいと顔を寄せ、メンチを切る。

「んだとぉ、誰がモテねぇんだ、チビ杉っ!!」
「てめぇだよ、クソ天パ」
「天パの何が悪い?サラサラヘアだからってモテると思うなよ!
 俺はテメーと違って長身で男前だからモテるんだよ!」
「男前、ねぇ……」

銀時を横目で見て、フフンと鼻で笑う高杉に、
銀時は顔を紅潮させ、興奮した声を出す。

「疑うのかっ、テメー!だったらどっちがモテるか遊郭で勝負だ!」
「ふん、いいぜ。吠え面かかせてやるよ」
「こっちの台詞だ!」

二人のやり取りに、坂本はアッハッハと馬鹿笑いをして、
「いや〜仲がいいのぅ、おまんら」と言った。
それに対して高杉と銀時は息ぴったりで「仲良くねぇよ!」と反論した。

かくして、四人は遊郭に繰り出したのであった。





「銀時、高杉、どの子にする?」

ずらりと並ぶ遊女をしまりのない顔で眺め、坂本が問う。
桂は既に熟女風の女を指名していた。
銀時と高杉は数秒考えた後、同時に自分の好みを女を指差した。
二人の指先には、一人の女。つまり、指名がカブったのだ。
銀時と高杉は顔を見合わせ、無表情で睨みあった。

「オイ高杉!テメー真似してんじゃねぇよ!!」
「真似なんざしてねぇよ。偶然だ」

殺伐とした雰囲気で睨みあう二人に、辰馬が笑いながら後頭部を掻く。

「はっはっはっー。おまんら、まっこと仲良しぜよ!
 んじゃあ二人一緒に3Pでもすればよかー。どうじゃ」
「ふっざけんじゃねぇ!誰がこんなチビと!
 こいつの裸と粗チン見せられるなんざお断りだっつーの!」
「それはこっちの台詞だ。銀時のたるんだ
白豚の肉体なんざ俺だって見たかねぇんだよ。エロ面拝むのも御免だな」
「白ブタっ!?筋肉質だっつーの!ガリガリは黙ってろ!粗末なモンぶら下げてるくせに」
「誰がガリガリだ。俺だって筋肉質だぜ。それに俺のが粗末と言うが、
 てめぇに俺のモノを見せた覚えはねぇ。 勝手に粗末とか決めつけんな」
「ハッ!パツパツのズボン穿いてても横チン目立たねぇじゃん。高杉クン」
「……なんだと?」

高杉がギロリと銀時を見た。
実は、銀時の言っている事は強ち外れていない。
別にでかさが勝負の全てでないとは思うが、確かに自分のモノは
然程大きくない事を高杉はよく知っていた。
はっきり言って、女顔の桂よりも小さいくらいだ。
辰馬と銀時あたりは体格もさることながら、アッチの方も間違いなく
馬鹿みたいにデカいものがぶら下がっている。
それと比べられたら、確かに自分のは粗品に違いなかった。

だが、直接見せたこともない銀時にそれを指摘されるのは妙に腹立たしい。
ムッとして銀時と睨みあう。銀時も譲らないと主張するように見下してきた。
このまま実力行使の勝負になるかと思ったその時、
自分達が選んだ女が高い声で言った。

「あの、お客さん。わっちは黒髪の殿方がいいでありんす」

逆指名だ。
高杉は指名されても動揺せず、いつもの涼しい顔をしていた。
一方振られた銀時は唖然と立ち尽くしている。

「ちょっと待て、何で高杉なんだよ!」

固まっていた銀時が大声で吠える。
高杉の胸倉に掴みかかると、顔を近付けてメンチを切る。
高杉は銀時の手を振り払わず、余裕の伺える笑顔を向けた。

「理由を聞かれても、俺が選ばれたからしょうがねえだろ」
「なにその上から目線。チビの癖に、いっつも態度デカいよねー?」
「言いがかりをつけるな。手ぇ離せよ」
「チビにチビッつって何が悪い。チビ、短男、ボンボン!」
「黙れクソ天パ。吠え面かいてんじゃねぇよみっもねぇ」
「んだとー!」

あわや喧嘩勃発寸前で、高杉を選んだ女が割って入った。
「お客さん。早く行きましょ」と、高杉の甘えた声で高杉の腕を引く。

流石に銀時も女に手を上げるわけにはいかず、
高杉の胸倉から手を離した。

「悪ぃな、銀時。勝負は俺の勝ちのようだ。お先に」

女と並んで、高杉は奥の座敷の方へ消えて行った。
悔しがる銀時の肩を桂と坂本がポンと叩く。

「フラれたの〜、銀時。しょうがなかぁ。高杉はツラええから」
「俺のツラが悪ぃみたいに言うなっ、バカ本っ!」
「しょうがないだろう、銀時。世間はサラサラが流行りだ」
「るせーヅラ!天パなめんなっ!ヅラの癖に生意気なんだよ」

慰めているのか貶しているのかわからない二人に怒鳴ると、
銀時は二番目に好みの顔の女を選んで、さっさと行ってしまった。




その遊郭事件から一カ月。銀時と高杉は口を聞いていない。
もともと高杉から喋りかける事は少ないので、
銀時がへそを曲げて話しかけるのをやめれば、必然と会話が減る。

銀時があからさまに敵対心を出して高杉を見るのであれば、
高杉も面倒臭がって銀時に話しかけない。
その悪循環故に、冷戦は一カ月も続いたのだ。

だが、冷戦は坂本辰馬の一言で終わった。
辰馬はあの後、高杉が指名した女と懇意になっていたらしい。
いつもの大声でとんでもない暴露話を口にした。

「あの子、高杉のこと目ぇ血走らせて酒飲んじょるだけの
 クソつまらねー男だったって言っとたぜよ。アッハッハッハッ!」

その言葉は、辰馬と屋根の上に居た銀時には勿論のこと、
屋根の下に居た他の兵や、高杉にも聞こえていた。

辰馬の股間を狙って、レジ袋をぶら下げた日本刀が飛んできた。
股間の真下にそれが刺さり、辰馬は青い顔を向ける。
視線の先には、高杉が恐ろしい形相で立っていた。

「てめぇは黙ってヤクルトでも飲んでろ」

けして迫力がある台詞ではなかった。
だが、顔と声はドスが効いていて、辰馬は珍しく青褪めて黙った。

高杉は鼻を鳴らして、また門に凭れて目を閉じる。
恥話を晒されて怒り心頭だった。
まさに至る所で一触即発状態だったのが、
缶けりと膠着状態だった敵との裏をかいた奇襲作戦の成功で緩和した。



その日の夜、銀時が眠っている高杉の所へ来た。

「何だよ?用事か?」
「べーつに。今日さみーから来たんだよ」

そう言うと、銀時は無遠慮に高杉が潜りこんでいた布団へ侵入する。
熱心に本を読んでいた高杉は枕元に本を置くと、
銀時の方を向いた。

「変態か、てめぇは。入ってくんな」
「つれねーこと言うなよぉ。晋ちゃん」
「気味悪ぃ。なんだよ、その呼び方……」	

にやにやした顔で自分の顔を見詰めてくる銀時に、高杉は眉を顰める。
こういう時は無視するのが一番だと、高杉はまた本を手に取った。
すると、銀時は項にかかる髪をさらりと手で退け、
いきなり首筋にふーっと息を吹きかけてくる。
不意打ちに、高杉は「ふぁっ」と間抜けな声を上げて、肩を跳ね上げた。

「うおっ、かわいー反応」
「舐めてんのか?てめぇ」
「舐めてねーよ」

クックッと喉の奥で銀時が笑いながら、首の後ろに唇を付けてきた。
分厚い唇が首筋から這い上がり、耳朶をちゅっと吸い上げてきた。
ぞくりと下半身を疼かせるような感覚に、どうにか声を堪えたものの
高杉はぴくんと身体を反応させる。
面白がるように銀時が柔らかい耳朶を甘噛みしてきて、
どうしようもなくこそばゆくて、身体に力を入れた。

「なぁ、高杉。何で、あの女抱かなかったの?」
「……気分じゃなかった」
「嘘、つくんじゃねぇよ」

べろりと生温かな舌が滑った音をさせながら、銀時が高杉の外耳を舐めた。

「ひっ っぁ」

ネチネチとした舌遣いと吐息に、思わず声が出る。
恥かしくて、口許を手で覆ってどうにか嬌声が漏れるのを堪えた。

「高杉さ、お前、童貞なんじゃねぇの?」
「なっ……!?」

当たっているだけに高杉は何も言い返せなかった。
馬鹿にする様な物言いにムカついて肩越しに銀時を振り返ると、
間近くにあった銀時の目と自分の目が合った。
銀時の顔は、白夜叉さながらの表情に淫欲を滲ませた悪辣な顔だった。
獲物を見るような目が自分を見ているのに驚き、思わず固まる。

「俺が教えてやるよ?高杉」

にやりと口の端を吊り上げると、銀時が馬乗りになって来た。
足を無理やり開かされて、思わず泡を食う。

「ちょっ、銀時っ!?てめぇ……もがっ!?」
「大声出すなよ。オマエ、あられもねぇ姿、晒したいわけ?」

口許を容赦なく手で覆われて、呼吸を邪魔される。
ままならない呼吸の所為で、意識がふわふわとしてきた。
そんな状態だというのに、銀時の手は寝間着の胸の辺りを弄って来る。
指先がきゅっと胸の飾りを抓ってきた。
痛みが走った筈なのに、下半身に甘い疼きが走った。
その感覚に驚いて目を見開くと、銀時がにやにやした顔をしている。

「お前、清廉な面してエロいな。
 こうやって布団の中で悶えてると、娼婦よりエロい」
「なっ、んだとっ……ひぅっ!」
「こんな思いっ切り乳首抓られて感じるとか、すげぇマゾ」

手首を押さえ付けて、両手で銀時が乳首を弄りだす。
抓ったり転がされている内に、神経が刺激を与えられているそこへ
集中して、どうしようもなく身体が火照った。
口から堪え切れずに女々しい声が漏れる。

「あひぃっ、あっ、ぎ…ときぃ やめっ」
「もっとって言われてるようにしか思えねぇよ。
 俺が今まで相手したどの女も、乳首だけじゃこんなんなってねぇよ」

淫乱なヤツだとののしられ、プライドを傷付けられると、
死にたくなるような羞恥心が沸いた。
それなのに、そんな銀時の言葉に反応して下半身が疼く。
その事に気付いた銀時はさらに口汚い罵言を浴びせながら、
腰帯を解いて着物を脱がせてきた。
銀時の手が下着の上からぐしゅりと湿った恥部を握り込む。
電流にも似た強い刺激が背筋を駈け抜け、身体が陸に上げられた
魚のように大きくびくんと跳ねる。

「ひぃぁぁぁっ!」
「高杉ぃ。興奮しまくりじゃねぇか。パンツぐっちゃぐちゃ。やーらしぃ」

ずるずるに濡れた下着ごと陰茎を握り込み、扱き上げられる。
眩暈がする程の快感に襲われて、身体中が痙攣した。

大きな声が漏れそうになり、高杉は慌ててシーツを手繰り寄せて噛んだ。
くぐもった呻き声が部屋に響く。
銀時はその声に、舌舐めずりをした。

「マジやべぇよ。お前ほんとエロいわ」

そう言うと、銀時は高杉の下着を奪い去った。
先走りでテラテラといやらしく濡れた後孔を赤い瞳が直視する。

「ばっ、何処見てんだ、ヘンタイッ!」

自分の裸体を銀時にマジマジと見られるのは初めてで、
恥かしさで頭が変になりそうだった。
思わず高杉が怒鳴ると、銀時は意地悪な笑みを浮かべた。

「お前、何処見られてるかわざわざ口で言われたいワケ?」
「うっ……」
「お前のケツの穴だよ。嫌らしくヒクついてやがる」

銀時の指がつぷりと身体のナカに侵入してきた。
二、三度ちょっとした綾町で銀時に抱かれた事はあるが、
やはりこの感覚には慣れない。
圧迫感と違和感。そして、確かな快楽。
銀時の指が中でクの字に曲がり、指の腹が腸壁を擦り上げると
えもいわれぬ快感がゾクゾクと這いあがる。

「さーて、高杉のイイ所はどこかな〜」

自分が何処で感じるかなど知っている癖に、
態と焦らすように銀時がナカで指をバラバラに動かす。
もどかしいような快感に、高杉は喉を晒して仰け反る。

「ここだったよね〜?高杉くん」

銀時の指が、奥の方のしこりにやんわりと触れた。
そこから織りなされる快感を知った身体が、期待にびくんと反応する。
もったいつけるように周囲をなぞったあと、
銀時は指でくいっと前立腺を引っ掻いてきた。

「ヒィッ、アァァツ」
「おっと、悪ィ。イイ場所当たっちゃったか?」
「うぅ……こっ、この鬼畜エロがっ……」
「鬼畜ねぇ、言ってくれるねぇ。じゃあそれらしくするわ」

悪魔のように微笑むと、銀時は二本の指で激しく前立腺を刺激した。
ゴリゴリと乱暴に削るように前立腺を押し上げられ、
高杉は悲鳴に似た声を漏らす。

「あぁぁぁぁっっっ、いぁっ、やめぇっ」
「もっと下さいだろ?」
「うぁぁっ はっ、 ヒっ イクッ」

ビクビクと身体を痙攣させ、高杉は勢いよく精液を飛ばした。
白い腹の上に、ねっとりした濃い白濁液が零れる。
その様を見て、銀時の瞳は興奮したように細められた。

銀時は射精で少し萎えた高杉の肉棒を乱暴に掴むと、
勢いよく擦り上げる。
敏感になった雄を攻め立てられて、頭の中がスパークしそうだった。

「その顔クるわ。ぶっこむぜ。お前のケツマンコに」

卑猥な言葉を口にすると、銀時は自分の肉棒を取り出す。
怒張しきった、グロテスクなそれに青褪める自分になど構わず、
銀時は尻の肉を左右に割開くと容赦なく己を埋めてきた。

「ぐぅっ……ンンッ あぅっ」
「うおっ、やべぇ熱ぃ。お前マジに名器だよな」
「っはっ、るせぇ、この スケベやろー」
「喋る余裕あんの?高杉っ」

足を折り曲げられ、胸を圧迫されながら熱い楔をブチ込まれる。
余裕などある筈が無かった。

銀時は根元までずっぽりと自分のナカに侵入して来ると、
思い切り激しく腰を突き動かす。
その度にナカの肉襞がずるりと引きだされそうになったり、
押し上げられたりして、視界がホワイトバーンするほどの強い刺激が生じる。

「アアアァァッ んぁっ、あぁぁっ」
「サイコーの泣き声。やっべ、きもちイイっ」
「あっ あっ あぁぁつ」
「くうっ、高杉、さ。お前が童貞とか笑えるっ。
 こうやって女みてぇに俺に喘がされてさ、前はまだですって」
「ンァっ イイッ」
「エロい身体してっから童貞もとっくに捨ててるって思ってたけど、
 お前ってホント身体の割に純粋だよな。そーいうトコ、気にってるけど」
「ふっ ぁっ ぎんときぃっ、やぁ イッちまぅっ」
「俺もだ。イケよ、いっぱい注ぎ込んでやらぁ」

より一層深く突き上げられて、死にそうな程の気持ち良さに襲われる。
身体が大きく波打ち、直後、小刻みに全身が痙攣する。
限界まで追い詰められた高杉のナカが精液を絞り取るように収縮し、
爪先をピンと張り詰めさせて、だらしなく口を開いて高杉が喘いだ。

銀時は高杉がイくのに遅れて絶頂を迎える。
「いっぱい注ぎ込む」と宣言したものの、
やっぱりナカに出すのは流石に気が引けたのか、
銀時は高杉の中から自身を引き抜いて、
放心しきった顔に自分の精液を吐き出した。




「汚ねぇ、苦ぇ。サイアク……」

放心していた高杉は顔にかかった生温くて青臭い液体の匂いで
意識を覚醒させ、眉間に皺を寄せた。
流石にやりすぎたと反省し、銀時は手ぬぐいで高杉の身体を拭う。

「怒ってるか?高杉」
「たりめーだ」

高杉は銀時に背を向けて、身体を丸める。

「何でこういう事になるんだか……」
「悪かったって。高杉が顔に似合わずウブってわかって、
 遊女相手に何も出来なかったなんて辰馬が暴露するから、
 可愛いとか思っちまって。手ぇだしてた。マジで悪かったって」
「てめぇ謝る気ねぇだろ。辰馬の所為にしてんじゃねぇか」

完全に拗ねた態度を取ると、銀時が少しうろたえた様子を見せる。
後ろから抱すくめられて、優しく気遣われる。
自分と抱いている時との鬼畜っぷりとはえらく違う態度に戸惑った。

「もういいから、とっとと寝ろ、馬鹿」
「ああ。おやすみ、高杉」

少し甘ったるさを含んだ声で言われて、高杉は舌打ちをした。
蹴り飛ばして追い出せばいいのに、そう出来ない自分がいる。
こうやってずるずると銀時と身体を重ねるのはもう何度目か。
自分から泥沼に堕ちている気がしてならなかった。

辰馬の挑発にのって、遊郭に行ってしまったことを深く反省した。






--あとがき----------

ヤクルトの回、高杉が女の子に手を出せなかったらしいことを知って、
興奮して描いたお話です(笑)
高杉、意外とウブだったんですね、昔は。今はエロリストなのに☆
そういうとこ、すごく萌えます!!
万斉が知ったらびっくりするでしょうね。
今度、若杉と万斉の話を書いてみたいとか思ってみたり……
それにひきかえ、銀さんは子供の頃からエロかった。
さすが銀さん!
でも、恋愛には割と純だと思いますよ。
性欲は意地汚いですが(笑)